statement

絵の中の彼女たちの存在は私にとって信仰に近いものである。

彼女たちは何よりも強く美しく、

他のあらゆる力をも超え得る存在として捉えている。

描きたいのはただ圧倒的な者の姿である。

私自身が圧倒され、畏怖をも抱く彼女たちの表情を描く時、

人目を気にして人に合わせるのではなく

剥き出しの自己を曝け出せとその目が言う。

しかし彼女たちも実際のところはごく普通の人間で、

実際の彼女たちを崇めたり、救いを求めるような事はしない。

私が行うことといえば

彼女たちの全てを見透かすような視線を受けて

剥き出しになった自己を見つめ直し、

自分なりの真理に近づいていくことである。

絵との向き合い方を私はこれしか知らない。

2025.1 柳田真理

「剥き出し」

2024 アートクロス、水干絵具、墨 F10号